ブラジル国旗は誰もが知る青い天球が中央にデザインされた世界でただ一つの国旗です。ブラジルのポルトガル語で金緑旗ことAuriverde(アウリヴェルジ)と呼ばれ、緑色に黄の菱形、青い円を組み合わせた3色に白色で標語、星座がちりばめられた天球が魅力的な美しい色使いの国旗です。
ブラジル国旗 ~その歴史~
1500年にポルトガル人が発見以降、ブラジルはポルトガルの植民地でした。ポルトガル王室を迎え入れたのち、本国ポルトガルと連合王国となったため、ポルトガル本国の国旗が使用されていました。
1822年にブラジルが独立。ブラジル以外のラテンアメリカ諸国のスペインからの独立とは異なり、ブラジルの独立は、ポルトガル王室の分裂という形でした。ブラジル帝国時代の国旗は、旧宗主国であるポルトガル王国の影響を残すものであり、ポルトガルから独立した後に、ブラジルが独自の国旗を持つようになりました。
1870年~1889年11月15日までの帝政第二期の国旗は、ペドロ二世の治世下、20の州を表す星が天球の周りに配置されていました。緑色に黄色のひし形の現在の国旗に引き継がれている特徴的なデザインでした。緑色はブラジル皇帝のポルトガル王家ブラガンサ家の伝統の色を表し、黄色は皇妃の家系であるハプスブルグ家の色を表していたといわれています。
帝政第二期の幻のブラジル国旗
1889年11月15日、無血革命ともいわれるように時代の流れとともにブラジルは共和制となりました。国旗もブラジル帝国国旗から共和制国旗が制定されました。
共和制革命が起った1889年11月15日~19日までの数日間のみの国旗が存在していました。しかし、アメリカ合衆国の国旗にあまりにも酷似しているとの理由で共和制臨時政府大統領より拒否されたので4日間限定の幻の国旗となりました。
ブラジル国旗 ~現在~
1889年11月19日に改めてブラジル国旗が制定されました。その後、今日の国旗になるまでに数回にわたり改定が行われ、1992年5月11日に現在の国旗が制定されました。
緑色はブラジルの森林、黄色は金・鉱物資源、青色はブラジルの空、白は平和、白い帯の中の標語はポルトガル語でORDEM E PROGRESSO「秩序と進歩」という意味で、その周りの星はブラジルの州を表しています。現在ブラジルでは11月19日は『国旗の日』となっていますが、9月7日のブラジル独立記念日に比べると、祝日ではないのでやや国民の認知度は低いようです。
ブラジル国旗の星
ブラジル国旗の特徴として、青い天球の中にちりばめられた星々があります。この星々は独立当時の首都リオデジャネイロの夜空を映していると、一般的に広く知られています。一説によると実はリオデジャネイロの空ではないとの説もあるようです。
星の数はブラジルの州の数で、27個の星がブラジルの26の州とひとつの連邦区を表しています。ちなみにポルトガル語標語の上の星は、首都ブラジリアではなく、パラ州を表しています。一番下にある小さな星がブラジリア州を表している星です。
この27の星は、9つの星座の、おとめ座、こいぬ座、おおいぬ座、うみへび座、りゅうこつ座、南十字座、はちぶんぎ座、みなみのさんかく座、さそり座からなっているといわれています。国旗に空に散りばめられた星座がデザインされているなんて素敵ですね。