カーニバルより楽しい?フェスタジュニーナ
ブラジルの各地で盛り上がる6月(7月)のイベントといえばフェスタジュニーナ(Festa Junina)6月祭です。フェスタ・デ・サン・ジョアン(Festa de São João 聖ジョアン・バチスタの祭り)とも呼ばれるこの祭りは、6月中旬からブラジル全土で行われる人気の風物詩です。
7月に行われる場合もあり、ポルトガル語で7月はJulhoなので、フェスタジュリーナ(Festa Julina)と呼ばれます。
フェスタジュニーナとは、もともとはヨーロッパ各地で行われていた豊穣を祈願する祭りを、16〜17世紀にポルトガルからブラジルへ持ち込まれ各地で開かれたのが始まりです。
ブラジルでは冬至や収穫、そして聖ジョアン・バチスタの日(6月24日)を祝う感謝祭となりました。
また、6月には聖アントニオ(6月13日)や聖ペドロの日(6月29日)もあるため、3聖人の祝日も一緒に祝う盛大な祭りに発展しました。
現在ではカーニバルと並ぶ、もしくはそれ以上にブラジル全土が盛り上がる6月(7月)の大イベントとなっています。
ちなみにですが、聖アントニオは縁結びの聖人です。
聖アントニオの日(6月13日)はブラジルの恋人の日(6月12日)の翌日なので、恋人がいない人は聖アントニオの日にお祈りを捧げるそうです。
フェスタジュニーナでは誰もが田舎者スタイルを楽しむ
フェスタジュニーナでの服装は、Caipira(カイピーラ)と呼ばれる田舎者スタイルが定番です。
田舎の暮らしを祝福するお祭りでもあるため、参加者は田舎者の格好をして楽しみます。
男性は、チェック柄のシャツにスカーフ、麦わら帽子をかぶり、ジーンズを履きます。眉毛をつなげたり、髭を描いたりします。歯を黒く染めてすきっ歯を演出したりもします。
女性は、シータと呼ばれる花柄ブラジル伝統布の継ぎ接ぎドレスやエプロンなどを身に着けます。りんごのように赤いチークをした頬に、そばかすを描いたり、両サイドで三つ編みをしたりします。男性同様にチェック柄のシャツにジーンズを履いてブーツを履くスタイルも若い世代に人気です。
小さな子供達も大人同様の田舎者スタイルでお祭りを楽しみます。
催し物として、日本の夏祭りのように、輪投げや魚釣り、的当てなど子供に人気のゲームがたくさん用意されます。
もう一つ、フェスタジュニーナならではの特徴として、フォホー(Forró)と呼ばれる種類の音楽が主に演奏され、アコーディオンなどの伴奏に合わせて“クアドリーリャ”と呼ばれるダンスを2人1組となり、輪になって踊ります。
フェスタ・ジュニーナはカラフルな旗などで飾られたブラジル全土の教会や公園、市民会館などの会場で開催されるほか、学校でも毎年の恒例行事となっています。
収穫祭ならではの食べ物も魅力
フェスタジュニーナが行われる時期は、ブラジルの多くの地域が冬のため、Vinho Quenteヴィーニョ・ケンテ(赤ワインにシナモンやクローブなどを入れて温めたもの)や、Quentaoケンタォン(サトウキビの焼酎と生姜などを入れて温めたもの)などを飲みます。
また、定番の食べ物は、トウモロコシを使ったメニューです。
トウモロコシで作った生地をトウモロコシの皮で包んで茹でた“パモーニャ”、トウモロコシプリンと呼ばれる“クラウ”、白トウモロコシを潰してシナモンをかけた“カンジッカ”、トウモロコシの粉で作ったケーキ、“ボーロ・デ・フバ”といったスイーツを食べるのが伝統的。
収穫祭ならではの、カボチャ、サツマイモ、ニンジン、ピーナッツやココナッツで作ったお菓子やケーキなども人気です。
テーブルデコレーションにもブラジル伝統布のシータや麦わら帽子などが使われ、
花柄やチェック柄のテーブルクロスの上にたくさんの食べ物やスイーツが並び、フェスタジュニーナの雰囲気を盛り上げています。
6月、7月はブラジル各地や、日本のブラジルコミュニティーでもフェスタジュニーナが開かれますので、参加してみてはいかがでしょうか。